濁度の単位についてのお話。

前回までの話で、濁度の単位がややこしいことは理解していただけたと思います。
意外に知らない?濁度の単位について
今回は、なぜややこしくなるのか、というところを掘り下げていきたいと思います。

 

単位の基準となる標準液に異なったものがある、
というのは前にお話したとおりですが、
更に、測定器側の測定原理によっても結果の値が異なってくるため、
同じ単位で同列に扱うことが難しい、
という面もあるのです。

 

濁度の測定原理には、大きく分けて2つあり、その2つを組み合わせたものもあります。

  • 透過光方式
  • 散乱光方式
  • 透過散乱方式

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図を見て分かるように、試料(測定する対象の水)に光を照射して、そのまま透過する光を検出するのが透過光方式、試料内の懸濁物質によって散乱する光を検出するのが散乱光方式です。
更に、両方を検出してその比を測定するのが透過散乱方式となります。

もちろん、透過光の場合は、光を多く検出した場合の方が水はきれいで濁度は低くなります。
逆に散乱光では、光を多く検出した場合の方が水は汚れており濁度は高くなります。

 

また、散乱光でも、図のような側方散乱光の他、後方散乱光、前方散乱光の方式もあります。
更に、プロセス監視用で多く見られる表面散乱光方式というものもあります。

これは、工場などで、工業排水などのプロセス管理・監視のために連続的な測定が必要な場合に多く採用される方式です。

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まず、主管から導水管→内筒へ試料を流入させ、内筒上部から静かに溢れさせます。

その液表面に光を照射し表面散乱光を検出します。
溢れた試料は、外筒→排水管を経て元の主管に戻します。

この一連を連続させ、常時測定・監視を行います。
内筒で気泡が発生すると、表面散乱光が正しく測定できないので、途中に脱泡機を設置することもあります。

過去、当社レックスが表面散乱光方式のプロセス濁度計を扱っていたこともありますが、出荷準備・点検にあまりにも手間と時間が掛かるため、レンタル取扱いを止めました。

さて、このように様々な測定方式が存在し、同じ試料を測定してもその結果の値が違ってくるため、同じ単位では不都合が生じてくるわけです。

前に記述した4つの単位(意外に知らない?濁度の単位について)

FTU (Formazin Turbidity Unit) ホルマジン濁度単位
NTU (Nephelometric Turbidity Unit) 散乱比濁法濁度単位
FNU (Formazin Nephelometric Unit) ホルマジン散乱比濁法単位
FAU (Formazin Attenuation Unit) ホルマジン減衰単位

このうち、FTUは標準をホルマジンと決めており、NTUは測定方式を決めています。
あとのFNUとFAUは、標準をホルマジンとした上で測定方式も決まっており、より明確です。
ですから、本来はFNUかFAUを使うのが最善なのですが、NTUは欧米で早いうちから使われており、かつ標準にホルマジンを使用するのが基本となっているので、FNUと同等という扱いでNTUの方が一般的に使用されています。
欧米のようにNTUに対して昔からの慣習のない日本のJIS規格の中では、より明確であるFNU/FAUが採用されているようです。
しかし、その日本のメーカーの製品でも、外国製との統一性を重視するためか、FNU/FAUはほとんど用いず、大抵はNTUを使っています。
この辺が、学術的見地と商業的見地の違い、というわけですね。

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コメント

  1. 濁度の単位はたくさんあってややこしかったんですが、このサイトを拝見し、とてもスッキリしました。ありがとうございます。その上で1つだけ疑問なのですが、単位がFTUの場合はどの測定方法で得られた値なのでしょうか?お返事頂けるとありがたいです。

  2. FTUについてのご質問ですが、JIS K0801「濁度自動計測器」の解説に、「濁度の目盛としてホルマジンによるFTUを用いても,測定方式により測定対象によっては異なった濁度値が得られることが考えられる。これは,表面散乱方式と透過散乱比方式とでは,散乱角度に大きい差があるためである。この点,更に検討を必要とするが,濁度の数値に測定方式を必ず付記すること。」とあります。
    このことから、FTUは標準物質だけを定めた濁度単位で、測定方式は決定されていないということが分かります。
    なお、JIS K0801より制定が新しいJIS K0400-9-10「水質-濁度の測定」では、ホルマジン減衰単位(attenuation units)(FAU)とホルマジン濁度単位(nephelometric units)(FNU)しか用いられておらず、FTUは出てきません。
    ※ JIS K0400-9-10は現在廃止されています。古い方のJIS K0801は現在も有効ですけど。

  3. ありがとうございます。

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