意外に知らない?濁度の単位について

単位についての基本!
今回は、前回の続きです。

あなたは単位の意味を分かろうとする?あきらめる?【基本編】

濁度って、どうやって測るんだろう?
そんな疑問にお応えするのが、この私家庭内ホームレス・ISO爺マンです。

 

 

濁り具合の単位

計測器でも、けっこうアヤシイ単位があったりする、
ってことでしたね。

私もこれまでいろいろな計測器に携わってきましたが、
一番アヤシイのは濁度計じゃないかな、
と思います。

濁度計

濁度というのは水質の指標で、水の濁り具合を表します。

濁度0が透明で、数値が大きくなるほど濁りがひどいということです。

因みに、濁度は厚生労働省が定めている水質基準51項目のうちの1つで、水道水は濁度2以下が求められています。

もう少し詳しく書くと、51項目のほとんどが細菌や化学物質なのですが、人が飲む水なので、官能的な基準も含まれます。
味、臭気、色度、濁度の4つです。

味、臭気については、単に「異常でないこと」と決められているだけなので、純粋に官能検査のみ、ということになります。
色度と濁度は水質計が使われます。

 

 

 

濁度の単位 = 「度」

さて、やっと単位の話に入ります。

日本工業規格JISでは、濁度の単位は「度」です。

水1L中に微粒子の粉末1mgが十分撹拌された状態の濁り具合が、1度となります。

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この微粒子の粉末は、以前はカオリンという陶磁器の原料に使用される粉が使われていました。
しかし、濁度の標準物質としては均一性や安定性があまり良くないので、現在では、より適したホルマジン溶液が用いられることが多いようです。

もっと詳しく書くと、平成15年に改正された水道法では、より均一性に優れたポリスチレン系粒子が採用されました。
ところが、何分これが高額で、まだ一般的に普及するところまでは至っていないようです。

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mg/L

しかし、水質計としての濁度の単位が「度」では、上記の定義を説明する必要が出てきます。
で、「mg/L」が濁度計の単位でよく採用されることになりました。

でも、濁り具合の単位としては、やっぱりしっくりこないですね。

上の定義をきちんと知らないと、なんで水の濁り具合の単位が「mg/L」なの?
ってなりませんか?

しかも、通常水の濁りというのは、何がどれだけの量混じって濁っているのか分からないわけで、それを実際に測りもしないでmgと表すのはそもそもムリがあります。

例えば、濁度10mg/Lであれば、カオリン又はホルマジンが1Lに10mg混じった時と同じくらいの濁り具合、
という説明を加えないと意味が通じません。

元々は、SSという水質項目があって、これはsuspended solidの略で懸濁物質または浮遊物質を表します。
水1L中にどのくらいの量の濁りのもとになる物質が含まれているのか、という指標です。
これは水の濁り具合ではなく、実際に対象の水を蒸留したりろ過したりして残留物質の質量を秤って求めます。
ですから、単位は間違いなくmg/Lとなります。

よく濁度と混同されることがありますが、意味が違います。

そういうこともあってか、少し前はppm表示のある濁度計もありました。

ところが、これはよりおかしなことになってしまいます。
何故かと言うと、ppmは百万分率を示すので、%と同じような意味です。
ということは、分母と分子は同系列のものでなければなりません。

濁度の場合、分母はリットルLで体積、分子はミリグラムmgで質量です。
すなわち1Lの水に濁度標準物質が◯mg含まれる状態を表すのであって、率を表すわけではありません。
ppmで表すこと自体が不合理です。

今は計量に対する概念が以前より厳格になって、さすがにppm表示の濁度計はあまり見当たらなくなりました。

現在は、ISO規格に則ったホルマジン基準のNTUやFTUが用いられることが多くなっています。
なお、他にFNUやFAUというものもあります。

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(参考)

FTU (Forumajin Turbidity Units) :ホルマジン濁度単位

NTU (Nephelometric Turbidity Units) :比濁法濁度単位(散乱光測定での濁度単位)

FNU (Forumajin Nephelometric Units) :ホルマジン比濁法単位 ≒NTU

FAU (Forumajin Attenuation Units) :ホルマジン減衰単位(透過光測定での濁度単位)

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気象観測とアネモマスター風速計

株式会社レックスでも設備している風速計の一つに「アネモマスター」という熱式風速計があります。

アネモマスター風速計

画像で見ると、こんな感じ。
皆さん、アネモマスターの語源をご存知でしょうか。

 

 

アネモマスターの語源

”アネモマスター”は日本カノマックス株式会社の風速計の登録商標です。
勝手に使ってはいけません。
一般名詞としての風速計は

”アネモメーターAnemometer”

または

”Wind Gauge”

になります。

アネモメーターには、風速計だけではなく風力計という意味もあります。

このアネモメーターの語源は、ギリシャ語で「風」を意味する”anemos”だと言われています。そこから風速計の名称としてつけられたのですね。

たまに天気予報で予報士の人が

「アネモメーターの観測によると・・・」
などと言う時があります。
その時は「風」の話なんだなと思って聞いてください。

アネモネ(学名Anemone coronaria)という花がありますが、これの語源も同じだそうです。
”風の花”ってことですね。

何故アネモネが風なのかはよくわかりませんけど。
春一番の頃に咲くからっていっても、それは日本の話なのでギリシャ関係ないし。
ギリシャでも春一番があれば。
ちなみにクリモマスター(これもカノマックスの登録商標)という商品もありますが、こちらはClimate(気象、環境)からの造語です。

 

アネモマスター 「風」(anemometerからの造語)
クリモマスター  「気象、環境」(Climateからの造語)

 

 

 

アネモマスター風速計

アネモマスター風速計には、熱線式風速計ベーン式風速計の2種類があります。
「風速計」という名前ですが、台風や低気圧、フェーンなどの風速を測ることは出来ません。
これらは「気象観測用風速計」を用いて計測します。

じゃ、アネモマスターは何の風速を測るのか、いや、それよりもアネモマスターと気象観測用の風速計はどこが違うのか。
気になりませんか?
ならない人は、ページを閉じていただいて結構です(笑)

まずはじめに気象観測に使用できる機材なんですが、これは気象庁のHP

 

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/shinsei/kentei/index.html

 

に「検定対象測器[PDF形式:83KB](気象業務法第9条)」として載っていて、その中に風速計の種類の記載があります。

ここには

 

風杯型風速計

  • 風車型風速計

 

  • 超音波式風速計

 

 

3種があり、熱線式(およびベーン式)風速計はありません。

 

この時点で、気象観測には使用できないことになります。
なんで、熱線式風速計は気象観測に使えないんだ?
と思いませんか。

 

 

気象観測用に向かない風速計

この熱線式風速計の原理は次の通りです。

 

①熱線に電流を流して加熱する。

②熱線に風が当たるとその強さに比例して温度が下がる。

③温度が下がらないように電流の量を増やし、平衡状態にする。

④この電流量の増減で風速を求める。

⑤ただし、風の温度によって電流量も変化するので、気温の補償も同時に行っている。

 

この②で熱線に風が当たっていますが、長期使用すればするほど空気中のゴミなども熱線にあたる可能性が増えます。

ゴミがあたると・・・

熱線は破損します。
つまり長期使用に向かないということで気象観測用になっていないのです。
他の風速計はどうかっていうと、風杯型(お椀が3つ水平に回っている分)は、ゴミが少々あたった位では壊れません。
風車型(飛行機のような形をしていてプロペラが回る形式)も、同様です。
超音波式にいたっては超音波の送受部分をうまくカバーしておくと、全く風があたることなく風速計測が出来ます。

 

それでは、気象観測に使えない風速計の存在意味は何でしょうか。
実はメーカーのHPに答が書いてあります。

各機種のデータのページに”用途”というのがあって、そこを開くと

 

空調冷凍機器・設備の運用/管理 試験/開発、建物内の風速・換気風量計測、生産設備や生産工程の風速確認・調整、製品の開発や検査工程

というふうに書いてあります。

つまり、工場やビル環境、工事現場での計測などです。
たとえば、機材の性能調査・設計の適合性調査・粉塵の流れや冷却効率の環境調査などがあります。

個人でも役に立つ場合があります。

たとえば、エアコン等の吹き出し口や部屋のあちこちでの風速、換気扇等の吸い込み容量を計測する場合です。

ハカレンジャーに関係のあるレックスは、会社です。

そのレックスに関係の深いところでいうと、

 

工事現場では

・立坑や隧道等に於ける換気機材の性能

・立坑や隧道内での換気ダクトなどの取付状況

・空気の滞留場所の確認

・熱中症予防のエアコンの冷気の状況

 

工場関連では

・クリーンルームなどでの空気の動き

・生産工程での空気の動き(冷却や乾燥など)

・機材の性能試験(送風機とか)

 

実際にガッチャガッチャマンが行った現場の例でいうと、

○隧道(ずい道~要するにトンネル)工事現場における安全対策として行われる換気(酸欠や可燃性ガスや毒性ガスの発生などの対策)状況の確認。

→送風機の性能確認や、実際に作業場所まで空気が流れているかなどを計測します。

○空調設備の状況確認

→エアコンや送風機などの吹き出し状況や室内の風の回り方による効率的な空調が出来ているか、埃や粉塵が舞って(例えば)食品の上に行かないか、煙草の煙が流れていかないか、など多様です。

 

特にガッチャガッチャマンは煙草が苦手なので、持ち歩いててもいいかも知れません。文句言うのには裏付けが必要ですから。

 

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